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2019年4月 6日 (土)

バイス

「バイス」を見てきた。米国で副大統領を務めたディック・チェイニーの伝記映画。
といっても異色の伝記映画で、そもそも本人に製作の許可を取っていないのだとか。
主演はクリスチャン・ベール。役作りもすごいが、本作のメイクはアカデミー賞を受賞している。
他にもスティーブ・カレルやらエイミー・アダムズなど、実力派が目白押しの映画。果たして。

映画は基本的に、ディック・チェイニーの半生を追っている。
どうしようもないクズだったチェイニーが、恋人の叱咤で立ち直り、
政界へと足を踏み入れるところから物語はスタートする。
彼は持ち前の手腕で着々と政治権力を獲得していき、家庭生活もほぼ順風満帆。
しかしながら、使えていた大統領が選挙で落選したことから職を失う。
また、娘の一人がレズビアンであることが発覚し、彼女のことを優先するため、
政治の道を歩むのをやめて、平穏な生活を送るようにする。
そしてチェイニーは幸せに暮らしました。ハッピーエンド……なわけがないのである。

映画は、序盤中盤と終盤では明確に見せ方が違う。
最初から中程までは、チェイニーが成り上がっていく様を肯定的に描き、
寡黙ながら有能な人物として観客の共感を誘う作りとなっている。

だが終盤、9.11が発生してからは話が別だ。
戦争という大義名分を得て、G・W・ブッシュを抱える政権を運営するチェイニーは、
ブッシュを盾にして己の権勢を振るい続ける。
その豪腕ぶりには見ている人間も驚くだろうし、そもそも演じた人間もびっくりだったかもしれない。

クリスチャン・ベールのカメレオン俳優っぷりもすばらしいが、
脇を固める実力派の演技もそれだけで十分見応えがある。
映画のテンポはすばらしく軽快で、かつ残酷さを隠すことなく見せつけてくる。
本作は権力闘争を題材としているが、その先にあるもの、
その結果として犠牲になるものの容赦なく描き出しており、
短いながらその印象は強烈に観客に焼き付くであろう。

政治的には偏っている映画かもしれないが、見て損はない一本。
世界最強の権力者がどんな手腕を振るったか、是非見届けよう。

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