KDPに登録しました

年初あたりから進めていたのですが、自作の中世ファンタジーゾンビアポカリプスのお話を、

このたびKindle Direct Publishingに登録することができました。

タイトルは「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」および「ナイツ・オブ・ザ・リビング・デッド」です。

ロメロのナイト・オブ・ザ・リビングデッドのもじり、というところから思いついて、

最初に短い方を書き上げ、後に長い方を書き上げました。

内容については、自分がやりたいことは表現できたと感じています。

 

何よりも見てほしいのは表紙です。NKさんというイラストレーターの方に依頼したのですが、できあがったものが思った以上にすばらしいものでして。

https://www.pixiv.net/member.php?id=20791889

上のリンクから表紙絵の閲覧が可能です。本編に興味なくとも、とりあえずこの表紙だけは見てほしい。すばらしい出来です。

 

この記事を閲覧する人がどれだけいるかは正直、怪しいところですが、ブログ記事に残しておきたいと思って、書きました。

「中世ファンタジーゾンビものがない」と嘆いた人が、検索でここにたどり着ければ、幸いです。

2019年12月28日 (土)

2019年の映画を総括する

2019年に見た映画を総括して、ベスト10を選んだ。
今年見た映画は55本。週1ペースではあるが、ちょっと少ない気がする。
いつもの事ではあるが、しかしこの「選ぶ」という行為、主張である。
他の人が絶対選ばないものをベストに持ってくることを説明するには、主張という言葉を使うしかない。
いや、でもほんといいですよ、ミスター・ガラス。マジでアベンジャーズよりいいから。
ほんと見て。見て、勇気をもらってください。


1.ミスター・ガラス
スーパーヒーロー映画に何が必要か、って、希望ですよ。
キャラクターじゃない。希望です。永遠の9歳をスーパーパワーだと言い切る希望。
この映画にはそれがある。だからベストです。

2.ジョーカー
R指定で、中国で公開してないのに、10億ドル稼いじゃった映画だよ。
内容もひどいもんだ。エンタメ性のかけらもない。なのに売れた。
だから、この映画には希望がある。
客に媚びなくても売れるものが作れるっていう希望だ。それを信じたい。

3.ROMA/ローマ
映画そのものとも言える作品だ。とある時代に生きた人々を、
ただ生き生きと映し続けるだけの作品である。
それをフィクションでやれるということが、何よりもすごい。

4.ハウス・ジャック・ビルト
とにかくひどい話である。その露悪的とも言えるひどさが好きだ。
話が進み、殺人鬼として大成していくほど、チープになる構成も好きだ。
やはり、トリアーは天才としか言いようがない。

5.スパイダーマン:スパイダーバース
アニメーションの限界を超えてるんじゃない? とも言えそうな、
すさまじい映像表現の数々が魅力的すぎる一作である。
あとペニー・パーカーちゃんがかわいい。

6.ワイルド・スピード スーパーコンボ
実質ロック様とステイサムのスーパーガチレズコンボ。
男同士で百合は成立しないとか抜かすマヌケどもを、
マッチョパワーでぶっ飛ばすスーパーコンボな一作である。

7.アド・アストラ
スペースブラピが太陽系外縁部まで行って感傷マゾになって帰ってくる。
それだけで本作が一級品であることがわかるはずである。
各所に挿入されるクソチープなSF要素も雑すぎて好き。なんだよあの月面車レース。

8.女王陛下のお気に入り
ガチレズドロドロ映画。愛と打算の物語で、ここまでのものがやれるか。
終始不穏な空気が漂う映像もそうだが、それでいてしかし、
愛の部分はキッチリ描いてくれる。あと、かっこいい女が見たい人は必見。

9.フリーソロ
フリークライマーに迫るドキュメンタリー。死と隣り合わせの世界をのぞき見る映画。
ドキュメンタリーならではの緊張感が漂う映画だが、それだけに、
終わったときの安堵感もすばらしい。

10.ヘルボーイ
俺たちのニール・マーシャル監督作品! やってることが前と変わらねえ!
お下劣! 下品! グロテスク! でもちょっとシナリオで泣かせやがる!
あとエクスカリバー! エクスカリバー出るしアーサー王伝説だから実質FGOだぞ!!!

2019年5月 6日 (月)

名探偵ピカチュウ

「名探偵ピカチュウ」を見てきた。
ポケモンシリーズ初の実写映画であり、かつ、ライアン・レイノルズの声で喋るピカチュウが目玉の作品。
元々は同名のゲームが存在しており、そちらの実写映画化という話になっている。
もちろんストーリーなどは改変されており、映画独自の体験が楽しめるぞ。

ポケモンの実写版、かつハリウッドでCGバリバリの実写映画ということもあり、
ポケモンの造形はかなりリアルに寄せている。主役のピカチュウはフサフサだし、
驚くほど表情豊かで、アニメやゲームのピカチュウとはまた違った魅力がある。
ポケモンと人間が共存する都市が舞台となっているため、
現実感を出すためにもこのようなデザインは必要だったのだろう。

ちょっとリアルだけどカワイイポケモンもさることながら、
テキスト部分でもなかなかに見せてくれるのが本作のいいところ。
矛盾なくストーリーが進み、かつ要所要所で笑えるし感動できる。
子供と一緒に見に行っても全然問題ない。悲惨なシーンもないし。

総合的に見れば、とてもよくできたエンターテインメントであり、
GWに公開するだけのことはあるファミリー映画である。
ポケモンが好きでなくても、見に行って損はないはずなので、是非行こう。

2019年5月 4日 (土)

ザ・フォーリナー 復讐者

「ザ・フォーリナー 復讐者」を見てきた。
ジャッキー・チェン主演のアクション映画で、悪役にピアース・ブロスナン。
元米軍特殊部隊の工作員であるジャッキーが、テロで娘を失ったことをきっかけに、
首謀者と目されるピアース・ブロスナンを追い詰めていく、というお話。

いわゆる「ナメてたおっさんがヤバイやつだった」系のお話なのだが、
ジャッキー・チェンが殺人マシンとなって悪党を成敗しまくるお話かというとそうでもない。
この手の映画らしい大量殺人シーンはなく、かなりリアルっぽい作りである。
ジャッキー・チェンも60才を越えたおじいちゃんという設定で、
チンピラなど問題にしない程度には強いが、それでも結構苦戦するシーンが多い。

リアルっぽいのはアクション部分だけではなく、テキストも同様。
悪役として登場するピアース・ブロスナンだが、直接ジャッキーの娘を殺すわけでもなく、
ある意味では彼が被害者とも言えるシーンがあったり、なかなか深い。
ジャッキー側にももちろんいくつかの落ち度があって、シナリオとしては結構複雑な方だろう。
登場人物が密かに裏切っていたりと、その辺もしっかり考えないと混乱するかもしれない。

政治系の知識も少しは必要。アイルランドとイギリスの関係について予習しておく方が、
話としては理解しやすくなるはずだ。ただ、IRAが日本語字幕ではUDIという謎の組織に変更されているので、
気になる人はその辺りがかなり気になるかもしれない。

ともあれ、リベンジものとしては結構リアルっぽい作りなので、
悪党惨殺映画を想定していると肩すかしを食らうかも。
映画としては十分おもしろいので、是非見ていただきたい一作ではある。
目が死んでいるジャッキー・チェンを見られる、希有なチャンスでもあるし。

2019年4月27日 (土)

アベンジャーズ エンドゲーム

「アベンジャーズ エンドゲーム」を見てきた。超特大ヒットシリーズの完結編。
言わずと知れたマーベル・シネマティックユニバースの面々が勢揃いし、
インフィニティ・ガントレットによって消し去られた人々のために戦う。
もはや説明不要の大傑作。上映前から特大ヒットが約束されている、完全勝利の一作である。

そういう書き方をしているから、悪い事を書くのではないかと思われるだろうが、
一つ前置いておかねばならないのが、本作はメチャクチャにおもしろいエンタメ・ムービーであるという点だ。
MCUに対する前知識は必須と言っていいが、それを得るためのコスト以上のリターンが本作にはある。
個性的かつ実力のある俳優達による演技と、生き生きとしたキャラクターは見ているだけでとにかく楽しい。
悲壮な戦いにもかかわらず笑えるところはきっちり笑え、カッコいいところはとにかくカッコいい。
音楽、映像、役者、テキスト、そのすべてが高い完成度で組み上げられており、
エンドゲームはまさに、最高峰のエンターテインメントだ。これに関してはまったく、疑問の余地がない。

だが、裏を返せば、エンドゲームは徹頭徹尾エンターテインメントだ。観客を楽しませることに特化している。
客が不愉快になる展開はないし、ハラハラドキドキも最終的な勝利と感動のためのステップでしかない。
本作で一つの終わりを迎えるアベンジャーズだが、そのためにしかれたロードマップはきわめて緻密かつ繊細だ。
それ故、本作はエンターテインメントとして最高峰であり、きわめて「普通」の作品に仕上がっている。

繰り返すが、エンドゲームはとにかくおもしろい。最高だ。バトルもキャラの掛け合いも楽しくて仕方ない。
でもこれは、興行収入を稼ぎ出すために作られた、観客のための完璧なエンターテインメントなのだ。
「みんな」が楽しめる完璧な映画だが、多くの人に届くが故に、「わたし」に届くことはない。

なぜこんな面倒くさいことを書くかというと、これがスーパーヒーロー映画だからだ。
大いなる力を得て、人々のために戦う英雄の物語だからこそ、そこには「人々」の視点がなくてはならない。
「人々」という背景を持たない英雄は、どれほどの力を振るおうとも、虚構でしかない。
現実に力を与える存在となって、「人々」に勇気と希望を振りまいてはくれないのだ。

雷神のごとき力を振るう宇宙人に、超天才で超金持ちの社長、超人血清でパワーアップしたスーパーマッチョ。
そうそうたるメンツの並ぶアベンジャーズに「人々」はいるか? 永遠の9才はいったいどこにいる?
彼らが守るべき「人々」はどこだ? スクリーンの前にいるとでも言い訳するか?

違う。彼らは誰も守ってはいないし、誰のためにも戦っていない。
なぜならヤツらは商品だからだ。世界最高興収を記録するために作られた完璧な商品だからだ。
そう考えると、この神業とも思える緻密な映画に説明がつく。
この圧倒的正しさ。この圧倒的おもしろさ。計算され尽くしたエンターテインメント。
彼らは我々を楽しませるために創造され、我々の財布の紐を緩くするために生み出された。

重ねて言う。エンドゲームはおもしろい。インフィニティ・ウォーも最高だったし、エンドゲームも最高だ。
だがこの最高は、エンターテインメントとしての最高だ。この映画は「ぼく」を救ってはくれない。
「ぼく」はスーパーヒーローではないし、勇気を持った一市民ですらない。堕落した情けない子供部屋おじさんだ。
アベンジャーズに「ぼく」のような、愚かで忌々しい人間が入る隙間はない。
でもアベンジャーズのロゴが書かれたバスには、乗る事ができる。劇場への入場料を支払いさえすれば、
彼らはいつだって「ぼく」を温かく迎え、その理想を説いてくれるだろう。

違う、そうじゃない。ヒーローってのはそういうもんじゃない。そうだろう?
でも、間違っているのは自分の方かも。彼らに熱狂する人はとても多いし、実際、こいつは最高のエンタメだからだ。

2019年4月20日 (土)

シャザム!

「シャザム!」を見てきた。DCユニバースのスーパーヒーロー映画で、
14才の少年がスーパーパワーを手に入れてしまった、という筋書きで始まるお話。
体は大人で頭脳は子供、という某名探偵の真逆を行くスーパーヒーローである。
ヴィランとして登場するドクター・シヴァナにはマーク・ストロングが抜擢されている。

未熟な人間がスーパーパワーを手に入れるとろくなことにならないのだが、
本作ではそのろくでもなさを明るい方向で処理しており、劇場内では笑いが絶えない。
スーパーパワーを見せつけるセルフィーをやったり、動画を撮って収益化したり、
公演でパフォーマンスをして金を稼いだりするという悪逆非道っぷりは見ていて笑うほかない。
シャザム側のストーリーは楽しく気持ちのいいものばかりだ。

もちろん、スーパーヒーローなので暗いシーンもいくつかある。
だがそれを補ってあまりある明るさが本作にはあり、
晴れ晴れとした気分で劇場を出られるのが何よりもすばらしい。

印象的なのは、孤児である主人公を引き取った家族の話。
「里親」であることがスーパーパワーだと語り、あなたのスーパーパワーは? と問いかけてくる。
毎月のように銀幕でスーパーヒーローが暴れ回る今だからこそ、この言葉は重い。

スーパーパワーとは超人血清でもなければ、ハイテクパワードスーツでもない。
善を成そうとする精神そのものである。それを一言でも語ってくれるスーパーヒーローがどれだけいるだろうか?

シャザム、いい映画である。明るく楽しく、つらくてもめげずに前に進んでいく。
エンド・ゲームを見る前に是非。自分のスーパーヒーロー像を、今一度問い直そう。

2019年4月14日 (日)

ハンター・キラー 潜行せよ

「ハンター・キラー 潜行せよ」を見てきた。
ジェラルド・バトラーにゲイリー・オールドマンという豪華キャストが出演する潜水艦映画。
ロシアのクーデターに際して派遣された一隻の潜水艦と、
偵察に派遣された特殊部隊の運命を描くシリアスな軍事もの。

映画館の客層はほぼおっさん。休日の朝っぱらにもかかわらず、
近年の洋画としてはまれに見る客の入りである。
映画自体も骨太。緊迫感のあるシーンが連続し、手に汗握る展開が続く。
かといって派手なエフェクトによる破壊もなく、全体としては抑えめのトーン。
それでいて見せるところはしっかり見せてくるので好感度が高い。

主演のジェラルド・バトラーは筋肉俳優で有名だが、本作では艦長を演じている。
とはいえ、映画の中でのキャラクター描写はあまり多くない。
どのキャラもテンプレというか、軍人としての役割を全うしており、
そこに余分な要素は入ってこない。それだけにリアリティが際立つ。

ロシアの高官がロシア人と英語で会話したりと残念な点も多々あるのだが、
潜水艦映画としてきっちり仕上がっており、見応えのある一作。
軍事マニアでなくても見に行く価値はあるぞ。

2019年4月 6日 (土)

バイス

「バイス」を見てきた。米国で副大統領を務めたディック・チェイニーの伝記映画。
といっても異色の伝記映画で、そもそも本人に製作の許可を取っていないのだとか。
主演はクリスチャン・ベール。役作りもすごいが、本作のメイクはアカデミー賞を受賞している。
他にもスティーブ・カレルやらエイミー・アダムズなど、実力派が目白押しの映画。果たして。

映画は基本的に、ディック・チェイニーの半生を追っている。
どうしようもないクズだったチェイニーが、恋人の叱咤で立ち直り、
政界へと足を踏み入れるところから物語はスタートする。
彼は持ち前の手腕で着々と政治権力を獲得していき、家庭生活もほぼ順風満帆。
しかしながら、使えていた大統領が選挙で落選したことから職を失う。
また、娘の一人がレズビアンであることが発覚し、彼女のことを優先するため、
政治の道を歩むのをやめて、平穏な生活を送るようにする。
そしてチェイニーは幸せに暮らしました。ハッピーエンド……なわけがないのである。

映画は、序盤中盤と終盤では明確に見せ方が違う。
最初から中程までは、チェイニーが成り上がっていく様を肯定的に描き、
寡黙ながら有能な人物として観客の共感を誘う作りとなっている。

だが終盤、9.11が発生してからは話が別だ。
戦争という大義名分を得て、G・W・ブッシュを抱える政権を運営するチェイニーは、
ブッシュを盾にして己の権勢を振るい続ける。
その豪腕ぶりには見ている人間も驚くだろうし、そもそも演じた人間もびっくりだったかもしれない。

クリスチャン・ベールのカメレオン俳優っぷりもすばらしいが、
脇を固める実力派の演技もそれだけで十分見応えがある。
映画のテンポはすばらしく軽快で、かつ残酷さを隠すことなく見せつけてくる。
本作は権力闘争を題材としているが、その先にあるもの、
その結果として犠牲になるものの容赦なく描き出しており、
短いながらその印象は強烈に観客に焼き付くであろう。

政治的には偏っている映画かもしれないが、見て損はない一本。
世界最強の権力者がどんな手腕を振るったか、是非見届けよう。

2019年3月24日 (日)

バンブルビー

「バンブルビー」を見てきた。
トランスフォーマーシリーズ最新作で、重要人物であるバンブルビーのお話。
本作はスピンオフであり、マーク・ウォルバーグやシャイア・ラブーフが出ているものとはあまり関係がない。
単独作品として楽しめる一作である。

トレイラーなどで理解できるとおり、本作はバンブルビーと少女チャーリーの関係がメイン。
1987年を舞台とし、80年代文化へのリスペクトあふれる内容が楽しい。
使われる楽曲はもちろんのこと、シナリオ展開や映像も80年代のハリウッド映画風味。
それだけで喜んでしまう人は数多いに違いない。

単純なエンタメムービーとしても出来はいい。コミカルなバンブルビーのキャラクターは楽しいし、
チープとも言えるがオーソドックスでわかりやすいテキストも安心できる。
アクションはもちろんすばらしいの一言。ロボットプロレスを余すところなく見せてくれる。
本作はトランスフォーマーの登場数が少なく、その分バンブルビーのアクションがガッツリ拝める。

もちろん、編集が不自然な点や、展開がおかしかったり間延びしたりするところはある。
それでも、本作は及第点以上のエンターテインメントとして成立しており、
誰が見に行っても十分以上に楽しめる一作である。ぶっちゃけこれまでのトランスフォーマーよりおもしろい。

まあ、リベンジのグレートコンボイには負けるが。そもそもリベンジ自体かなりヤバイ作品だから、
本作と比べてはいけないのだけれど。

2019年3月23日 (土)

ROMA/ローマ

「ROMA」を見てきた。巨匠、アルフォンソ・キュアロン監督作品。
2018年度アカデミー賞において、監督賞、外国語映画賞、撮影賞を獲得。
ネットフリックスが出資し、独占配信していることでも注目を集めた一作。
アカデミー賞の受賞などが契機となり、国内の一部劇場で上映が行われることに。
四国でもやれとわめいた結果、香川県でも上映してくれることになったので、
これは行かねばならんと見に行った次第である。

いや、とにかくすごい。映画の極致の一つなんじゃないかと思えるぐらいすごい。
映画の内容は、一つの家族、一人の女性の様子を追い続けたものであるのだが、
架空の人物、架空の話と思えないほどありありとしている。

アルフォンソ・キュアロンの作風も相まって、この映画はすばらしい体験を与えてくれる。
物語性は少なく、一見すると無意味とも思えるシーンが挿入されたりと、
わかりやすくエモーショナルな物語を求めていると拍子抜けするかも。
だが、エンドロールが始まるまで席を立たずにいれば、本作が何を描いたかははっきりと理解できるだろう。

本作は、何かしらの「そのもの」と言っていい映画である。
主人公クレオの人生そのものでもいいし、あるいは現実や家族、1970年代のメキシコそのものでもいい。
それほどまでに圧倒的なリアリティを持ち、そのパワーを有無を言わさず観客に突きつけてくる。
これは間違いなくフィクションだが、現実の一端ですらある。

劇場公開されている間に、見に行くべき一作である。
自宅の小さなPCモニターやテレビ、あるいはスマホで楽しむのもいいが、これは間違いなく、映画館向けの映画だ。
スクリーンの向こうに描かれる、1970年代のメキシコで、生き続ける人々の姿を見よ。
波のように寄せては引いていく、人々の生き様そのものを見よ。残された時間は短いぞ。

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